仕事・育児と重なる30代・40代に増えている心の不調──統合失調症と訪問看護の支援とは?

「なんだか最近、人の声が気になる…」「誰かに見られている気がする…」
そんな違和感、ありませんか?
30代~40代は仕事や家庭、人生の節目に立ち向かう時期。心にも体にも負荷がかかりやすく、「精神的に疲れているだけ」と見過ごしてしまいがちです。しかし、その違和感が統合失調症の初期症状であることもあるのです。
今回は、統合失調症の代表的な症状と、訪問看護を通じたサポートについてご紹介します。ご本人はもちろん、ご家族・ご友人が気になるサインを見せている場合にも、参考にしていただければ幸いです。
統合失調症とは?
統合失調症は、脳の働きに何らかの不調が起こり、現実と考えのバランスを保つことが難しくなる病気です。
100人に1人が発症するとされ、誰にでも起こりうる病気です。
特に20代前半での発症が多いとされていますが、30代・40代でも「再発」や「未治療で悪化」といった形で現れることがあります。
育児や仕事の責任を抱える世代だからこそ、適切な支援が重要です。
主な症状は?
統合失調症には、以下のような「陽性症状」「陰性症状」「認知機能の低下」といった症状が見られます。
■ 陽性症状(実際には存在しないものを感じる)
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幻聴:「誰かが自分の悪口を言っている」「命令される」
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妄想:「誰かが自分を監視している」「狙われている」
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思考の混乱:「話が飛び飛びになる」「自分でも何を言っているのかわからない」
■ 陰性症状(心のエネルギーが低下する)
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感情が乏しくなる、無表情になる
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人との関わりを避けるようになる
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何もする気が起きない(意欲の低下)
■ 認知機能の障害
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記憶力や集中力の低下
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段取りが立てられない
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複数の情報を同時に処理できない
これらの症状が重なり、社会生活が困難になるケースもあります。特に「まさか自分が…」という気持ちから受診を避け、症状が長引いてしまうことも。
訪問看護ができること
統合失調症は、薬物療法やカウンセリング、リハビリを組み合わせながら「継続的な治療」が必要です。しかし、外来通院だけではケアが難しい場合、訪問看護が大きな支えになります。
■ 訪問看護のメリット
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自宅で受けられる安心感
病院に行くこと自体がストレスになる方でも、普段の生活空間で落ち着いてケアを受けられます。 -
体調や服薬の確認
看護師が定期的に訪問し、症状の変化や服薬状況を確認。副作用や不安も気軽に相談できます。 -
生活のリズムづくりを支援
「昼夜逆転している」「何もする気が起きない」などの生活面にもサポート。買い物や散歩などの同行支援も可能です。 -
再発予防のサポート
初期症状に気づき、早めに主治医へ連携することで、入院に至る前のケアが可能になります。 -
ご家族への相談・支援
「どう接すればよいかわからない」と悩むご家族にも、アドバイスやサポートを行います。
訪問看護を導入するには?
「若いと訪問看護は利用できないのでは?」と思われがちですが、精神科訪問看護は精神科医師による「訪問看護指示書」があれば利用できます。
現在精神科や心療内科にかかっていない場合でも、訪問看護ステーションと連携するクリニックや医療機関をご紹介することも可能です。
また、自立支援医療制度を利用することで、訪問看護の自己負担額を軽減できることもあります(市町村によって異なりますのでご相談ください)。
「気づいたとき」が第一歩
統合失調症の診断が出た時や、気になる症状があるとき。きっと不安な気持ちを感じていることと思います。
統合失調症はきちんと向き合い、適切な治療と支援を受けることで、社会復帰して活躍している方もたくさんいらっしゃいます。
「自分らしく生活したい」「家族として支えたい」
その想いを、訪問看護は全力でサポートします。
少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
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